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2014小説挿絵制作審査の様子と読書の秋

皆さん、こんにちは。マンガ系担当のオーガッチです

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今回は、10月末に行ったTECH.C.福岡の小説デビュー作品集「initiation2014」に収録される小説作品の挿絵制作の第1次審査の様子をお伝えしてなかったのでご紹介します。

毎年、TECH.C.福岡の小説学生の作品を選抜し、1冊の作品集「initiation」を作っていますが、この作品集はただ小説作品を載せるだけでなく、挿絵も掲載するのです。

コミックイラストの学生を中心に行うこの挿絵制作コンペは9月末に掲載小説作品についてのオリエンテーションが行われ、それぞれの担当小説の挿絵の掲載をかけての真剣勝負

1ヶ月の制作期間を経ての審査会となります。

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学生達の力作はこちら

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1次審査会では下書きの状態で各グループごとに人数を絞ります。

まずは皆がどんな絵を描いてきたかの回覧タイム

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この審査会では1年~3年まで全員が参加する事もあって、学生達は先輩や後輩の絵を見る事になる数少ない貴重な機会の場。皆、自分の作品と見比べたり、他作品の挿絵はどんなものが出てきているのか食い入るように見ています。
他者の作品に興味を持ち、よい所は自分の制作に活かす事が重要になります。

そして審査実施!

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オーガッチと小説作者学生に対して、一人ずつ自分の挿絵イラストの一言PRのプレゼンを行っていくのです。
この時ばかりは皆、とても緊張しています。
ピリリとした空気の中プレゼンは続いていきます。
これもプロを目指すうえで通る道です。

この1次審査会で、1グループ10数人の制作学生達は2~3人までに絞られて最終審査に臨みます。

小説の挿絵は、読み手に文章を読んでもらうためのキャッチとなるだけでなく、物語の作品世界の創造を広げてもらうためのお手伝いとなる物です。

学生達が目指すイラストの仕事は文字や映像や頭の中の世界などをイラストとしてビジュアル化し、読者により具体的にイメージを伝えるというものだと思います。

12月頭に行われる最終審査に向けさらなる手直しがされることを期待しています。

そして、イラスト制作にとって切っても切れないのが「小説」。
普段から色々な文章、物語に触れていくことでイラスト作りにおける創造性やイメージ力がついてくるんです。

秋の夜長に、オーガッチのオススメ小説を10本紹介するので、気になった人は読んでみてください。

・「駅物語」朱野帰子(講談社)
・「解錠師」スティーヴ・ハミルトン(ハヤカワ書房)
・「海賊女王(上・下)」皆川博子(光文社)
・「海賊と呼ばれた男(上・下)」百田尚樹(講談社)
・「さよならを待つふたりのために」ジョン・グリーン(岩波書店)
・「屍者の帝国」伊藤計劃×円城塔(河出書房)
・「ブランコ乗りのサン=テグジュベリ」紅玉いづき(角川書店)
・「光圀伝」冲方丁(角川書店)
・「量子怪盗」ハンヌ・ライアニエミ(ハヤカワ書房)
・「64(ロクヨン)」横山秀夫(文芸春秋)

SF、ミステリが好きなのでちょっとジャンルが偏っていますが、今年読んだ中で気に行っている本で、どれもがとても面白いですよ。

以前、放映されていたTV番組で
「世界は言葉で出来ている」というワードがありましたが、まさにその通りなように思います。

ぜひ、たくさんの言葉に触れて自分の世界の形を広げて欲しいと思います。