株式会社タニモト
PAMEO POSE 事業部 事業責任者

尼寺 恵理子さん

アパレルショッブで販売スタッフ、店長の経験を積んだ後、「PAMEO POSE」に参画。
EC部門に配属後、デジタルを活用したブロモーション、マーケティング、コミュニケーション設計を担当。現在はブランドの責任者として、ECサイトや実店舗(表参道本店、渋谷PARCO店)、海外進出も含めたブランド全体の認知拡大・事業拡大を進める。外部のIT会社が提供する、スタイリストとチャットをしながらアイテムをピックアッブしてもらえる接客アブリ「and Style」の開発も手がける。

物を買う流れが変化したことでアパレルECサイトが不可欠に

尼寺さん: スマートフォンの普及により、誰もがインターネットで洋服を購入できる時代になりました。いつでも、どこでも買い物ができるようになり、また、手軽に情報を検索できるようになったことで、消費者の購買行動も大きく変化しています。例えば洋服を買う場合、これまでは店頭に出向き、気に入った洋服があれば試着して購入するという流れでしたが、現在はSNSで商品の情報を検索し、サイズ感がわかる洋服であればスマホ上で購入し、わからなければ店頭に出向くという流れに変わりつつあります。コロナ禍で外出を控える人が増えたことにより、実店舗のみ営業していたアパレルメーカーが自社ECサイトを開設する動きも見られ、アパレル業界にとってECサイトヘの取り組みは欠かせないものとなっています。

アパレルメーカーでは様々なECサイトでの取り組みを進めています。通常、アパレルでは、商品のコディネートやトレンドといった商品以外の情報については、販売員のコミュニケーションによって補われ、こうした「人による接客」が購入につながり、リピートにつながっていました。一方で、ECサイトでは、お客様自身が商品情報やロコミ、SNSなど、様々な情報を見ながら購入するため、人による接客をはさみにくいという課題がありました。そこで、当社ではECサイトに有人のチャット機能を実装し、お客様と会話をしながら接客するという取り組みを始めました。例えば、「なんとなくこんな洋服がほしい」というお客様には、おすすめの洋服を何着か用意したり、「この完売中の商品は再入荷しますか」と質問してきたお客様には、他の洋服を提案したり。店舗で販売員に相談しているような回答もできるため、お客様の満足度も高く「この人に接客をお願いしたい」という要望も今後出てくると思います。また、結婚や出産などで、店頭に立てなくなった販売員が自宅から接客することも可能になり、販売員の長期雇用を確保するという点でもメリットがあります。テクノロジーの進化によって、ECサイトは今後も変化していくと考えられます。

“ここ”で講入する意味を感じられるブランド効果の高いECサイトを

尼寺さん: アパレルECに携わる上で必要なスキルは大きく分けて2つあります。1つ目は「見せ方」のスキル。特にECサイトにおけるピジュアルは重要で、ブランドの世界観を表現するのに不可欠だからです。商品 の見せ方一つで売上が大きく変わるため、画像はもちろん、サイトのデザインまでこだわる必要があります。例えば、洋服のデザインがより伝わるモデルのポージングや、生地感がより伝わる背景やライテイング、商品の魅力がより伝わる画像加工など、グラフィックデザインや写真撮影の技術は身につけておきたいところです。

尼寺さん: 2つ目は「売り方」のスキルです。お客様にとって、 何を買うか以上に「販売員の人が親切にしてくれたから」「店内がオシャレだったから」という信頼が、商品を購入する動機になります。これと同じことがECサイトにも言えるのです。他社ではなく、自分たちのEC サイトで購入してもらえる、ファンになってもらえるようなプランディング効果の高いECサイトを作ることが重要です。海外のECサイトと比べて、日本のECサイ卜はまだまだ発展途上。新しいことにチャレンジして、ダメだったら次は別のことをやってみるというフットワークの軽さを持つことも大切。楽しみながらECサイトを作ってほしいです。

「PAMEO POSE」ECサイト

“カルチャーを着るPAMEO POSE”
「あらゆる境界線を超越した“一個人”としてファッションを楽しめる店」をコンセプトに、2013年にオンラインセレクトショップとしてオープン。デザイナー兼ディレクターは、スタイリスト、DJとしても活躍するPELI氏。2014年からオリジナルのコレクション展開をスタート。洋服のようなデザインのスイムウェアや唯一無二なジュエリーは、ブランドのアイコンとして親しまれている。

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