株式会社バニッシュ・スタンダード 代表取締役

小野里 寧晃さん

1982年群馬県前橋生まれ。2004年、大手Web制作会社キノトロープ入社。EC事業部長として主にアパレル企業などのECサイト制作に従事。2011年、株式会社バニッシュ・スタンダードを設立し、EC構築から運営の全てを請け負うフルフィルメント事業を行う。2016年、「リアル店舗を存続させるEC」を目指し、スタッフをDXさせるアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」を立ち上げる。現在、「STAFF START」に、スタッフを軸とした在庫改善や店舗・ECの相互送客を実現する機能など、接客に留まらない機能を追加し、“Staff Tech(スタッフテック)”サービスとして成長させている。

STAFF START

“店舗スタッフをECサイトに立たせる”をコンセプトに、店舗とEC、企業と顧客をつなげるスタッフのDXサービスです。導入企業の多くで利用されている「コーディネート投稿」「まとめ機能」「スタッフレビュー機能」をはじめとするコンテンツ投稿機能は、店頭での接客業務をDXした機能です。さらに、それによってスタッフが達成したEC上の売上やランキングを可視化させることで、スタッフ個人や所属する店舗の評価として還元する「評価機能」を提供。スタッフの成功体験(EX=Employee Experience)を向上させるだけでなく、企業貢献の機会となる「バイヤー機能」「商品スコア機能」を開発するなど、スタッフをビジネスの軸に、従業員・企業・顧客の利益を向上させる「E2C=Employee to Consumer」を実現しています。

「リアル店舗を存続させるEC」
従来とは異なる視点のシステムがECを変える!

インターネットで買い物をするとき、
販売員さんのコーディネート写真やレビューを参考にしたことはありませんか?
そういったECサイト(インターネット通販サイト)上にも販売員さんの活躍の場を広げたのが、
株式会社バニッシュ・スタンダードの「STAFF START」というサービスです。
企業やブランドのECサイトをこれまでになかったシステムで支える同社の社長、
小野里寧晃さんにお話を伺いました。

SNSで活躍する“個人”がECサイトの成功の鍵に

学生: 「STAFF START」とはどんなサービスですか?

小野里さん: アパレルをはじめとするブランドのECサイトに、販売員さんのコーディネート写真やレビューの投稿などを可能にしたサービスです。リアルの店舗には商品とレジがあり、思いを持って接客してくれる販売員さんがいますが、これまでのECサイトには商品とレジしかありませんでした。そこで「店舗スタッフをECサイトに立たせる」というコンセプトで、ECサイトでも販売員さんが活躍でき、売上などを数値化して評価される仕組みを作ったのです。企業向けのサービスのため一般的にはほとんど知られていませんが、これまでに「STAFF START」を導入したブランドは1,200以上。今後もさらに多くの企業に広げていきたいと考えています。

学生: ECサイトとSNSはどのように影響し合っていますか?

小野里さん: SNSが普及した現代は「個人の時代」と言われています。みなさんも、SNSで「いいな」と思っている個人から情報を得ることが多いのではないでしょうか。企業やブランドの看板を使ったECサイトへの集客だけでなく、個人でありお客様にとって身近なプロである販売員さんがSNSでお客様とつながることで、ECサイトへお客様を呼び込むという流れができています。今やECサイトは企業にとってとても大切なものですから、SNSの影響力はより大きくなるでしょう。これからはITの詳しい知識よりも、どんなふうにSNSを使えば効果的か、どんな背景やポージングなら売れるのかなどを理解して周囲に教えられる人が求められると思います。

ネットではなく実体験から感じ、学ぶことこそ大切

学生: 小野里さんが採用したいと考えるのはどんな人物ですか?

小野里さん: そもそも僕がこの仕事をしているのは、店舗での買い物が大好きだから。ECサイトが店舗の売上を奪うのではなく、ECサイトで売れても店舗や店舗スタッフが評価される仕組みを作って、リアルの店舗をなくさないようにしたかったからなのです。そういった、自分にとって素敵なものを残したいという愛や志のある人と一緒に働きたいですね。それに加えて、時代に流されず自分が正しいと思うことを貫ける人。みんなと同じであることに安心していては、時代は変えられませんから。そしてその思いを実現するために、周囲を巻き込む人間力を磨いていけることも大切だと思います。

学生: EC業界を目指す学生にメッセージをお願いします。

小野里さん: 昭和的と笑われるかもしれませんが、若くて体力があるうちに、寝食を忘れて何かに熱中することを経験してください。無駄や非効率なことで苦労した人が、遊び心を生み、カルチャーを作れるのだと思います。何かと効率の良さばかりを求めていては、時代を変えるパワーは出せません。そして、EC業界を目指すのであればこそ、店舗でたくさん買い物をしましょう!お気に入りの店や販売員さんとの触れ合いの中にヒントが詰まっています。本やWebサイトで得る知識ではなく、自分の体験こそがアイデアの素になりますよ。

株式会社バニッシュ・スタンダード

2011年設立。“働く現場の常識を革める”というビジョンを掲げ、「現場を活気づけるITサービス」の提供を目指す。2016年に立ち上げたサービス「STAFF START」はアパレルを中心に1,200以上のブランドで導入され(2021年4月時点)、ますます拡大中。

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