株式会社 カプコン

1979年の創業以来、ゲームエンタテイメント業界を先駆し続けている株式会社カプコン。学校でゲームイラストやCGを専門的に学んだ卒業生が今、株式会社カプコンでゲームづくりに携わり、そのゲームに世界中のユーザーが熱狂しています。現在のお仕事内容ややりがい、そしてこれからゲーム業界を目指す人々へのアドバイスを伺いました。

さまざまなプロフェッショナルと手を取り合いながら
ゲームを作ることにやりがいを感じる

Member

卒業生
株式会社 カプコン CGモデラー

ヨウ ギョウシ氏

これまでに関わった作品は「モンスターハンターライズ」「モンスターハンターライズ:サンブレイク」など。

卒業生
株式会社 カプコン デザイナー

中村 智美氏

デザイナーとして「モンスターハンターストーリーズ2~破滅の翼~」「モンスターハンターサンブレイク」の制作に関わる。

卒業生
株式会社 カプコン
キャラクターデザイナー

佐藤 早久良氏

これまでに「モンスターハンターライダーズ」「ストリートファイター6」の制作に関わる。

卒業生
株式会社 カプコン 背景デザイナー

濵口 一成氏

背景デザイナーとして活躍中。

学校に通っていた当時、皆さんはどんなことを学んでいましたか?

佐藤氏: 私はコミックイラスト専攻で、主にマンガやコミックイラストについて学んでいました。この専攻からゲーム業界に進んだ人は、恐らく少なかったと記憶していますね。しかし、イラストの授業を通して得られたデッサン力や物事の立体的な捉え方は、ゲームづくりにとても活かされています。

濱口氏: 僕はCG&映像クリエーター専攻でした。専門学校に入る前からゲームが好きで、「いつかゲームの背景をデザインできるようになりたいな」と思っていて。ゲームの画って、キャラクターよりも背景の方が断然映っている比率が多いですよね。それをうまく形にできるクリエイターになりたいと思い、学校でもそこに注力して学びました。

ヨウ氏: 私はゲームグラフィックや背景、キャラクターデザイン、CGなどを総合的に学んでいました。とりわけ3Dよりも2Dデザインの方に興味があったので、特に力を入れていましたね。当時は「ゲームを作りたい」というよりも、「何かものづくりがしたい」という気持ちの方が強くて、その信念を曲げずに学習に励んでいました。

中村氏: 私もヨウさんと同じゲームグラフィック&キャラクター専攻にいて、2Dと3Dのデザインの授業をたくさん受けましたね。当時は動物を描くのが好きでしたので、動物をモデルにキャラクターデザインをしていましたね。

現在のお仕事や、やりがいを教えてください。

佐藤氏: ゲームに登場するNPCキャラクターの服や小物のデザインをしています。主にストリートファイター系が多いですね。

濱口氏: 僕は学生時代に専門的に学んだ背景デザインがメインです。例えば、背景の中の自然物のプロットを作ったり、例えば物が壊れたりするようなゲームの展開に直接作用する「ギミック」をモデリングしたり、物体の写真を撮影して3Dデザインに起こしたり…。たまに「森の木をデザインしたい」と思ったときは、実際にロケをして本物の「木」を撮影したりもします。このフォトスキャンこそが、リアルさやクオリティ、説得力に繋がるんです。

ヨウ氏: 私は、ゲームに登場するプラクターやNPCの装備のモデリングを中心にやっています。元々ゲームよりも「ものづくり」への意欲が高く、「絵を描く」よりも「ものを構築する」ことに興味があったため、今のように機械や装備を形成する作業は、自分に合っているなと思います。

中村氏: 私の担当は、ゲームに登場する武器のデザインです。武器でかっこいい形を模索するのは意外と奥が深いです。たくさんの情報を盛り合わせてデザインすればいいわけではなく、足し引きのさじ加減が重要。そのためにも、さまざまな展示物を見に行ったり、武器に関する資料を集めたりして、いつかアイデアとして形にできるよう、多くの引き出しを作るように心がけています。

ゲーム業界の仕事ならではのおもしろさは
どんなところにあるのでしょうか?

佐藤氏: 私はデザイナーですが、プロジェクトごとにモデリングやアニメーション、サウンドの担当の人と一緒に仕事をすることが多く、自分の専門外の情報を一気に浴びられるのが刺激的です。それぞれの技術を持ち寄ってゲームを作り上げて、その結果たくさんのユーザーに届く。とてもうれしい瞬間です。

濱口氏: 僕の場合、背景デザインというテクニカルな仕事なのですが、基本的に「難しいこと」が好きなんですよね。手を動かして作るだけでなく、どう工夫すれば効率化できるのかなど、自分で流れを作って試行錯誤するのが楽しいんです。そして各方面からの要求に応える中で、自分なりのスパイスを取り入れられて、それをユーザーに届けられる瞬間が一番好きです。

ヨウ氏: 佐藤さんも話していたように、いろんなプロフェッショナルの人と一緒に仕事ができることでしょうか。例えば、デザインをする人とモデリングをする人では視点が違いますよね。そこで、デザイナーさんが困っていることがあれば、モデリングをする私たちが「こうすればいいんじゃない?」とアイデアを出したりできる。そうして、たくさんの人と一つのものを作る過程が楽しいです。

中村氏: 私の場合、自分のデザインがゲームに反映されることにやりがいを感じます。例えば、『モンスターハンターストーリーズ2』の「ツキノ」というキャラクターの衣装をデザインしたのですが、自分のふとしたアイデアがキャラクターの性格に反映された事があって。見た目だけじゃなく、内面も作れる所にデザインの楽しさを感じますね。

皆さんの今後の目標や、ゲーム業界を目指す高校生に
向けてアドバイスをお願いします。

佐藤氏: 私個人の目標としては、やはりキャラクターを描くのが好きなので、その技術力を向上させていきたいですね。とりわけ、これからゲーム業界に入ってくる次世代の方々は画力が高いかと思うので、追いつかれないようにがんばりたいです。

濱口氏: やはり最近のゲームは、グラフィックの解像度も高まったりして、それに伴ってデザイナーのクオリティも上がってきていますよね。フォトスキャンのような一から作る作業だけでなく、それを効率よく編集する力や、基礎的な物事の捉え方を身につけたいですね。あと、これからゲーム業界を目指す方にお伝えしたいのですが、デッサンは大事です。すべての基礎になりますし、実際に描いたものを誰かに見せてフィードバックをもらうと、自ずと成長できるのではないでしょうか。

ヨウ氏: 私も、まずは絵を描いて基礎を固めて、次に2Dも3Dも操れるようになるといいと思います。私自身は2Dばかりを学んでいましたが、今は3Dの作業が多いし、結果的にこの仕事にやりがいも感じています。食わず嫌いせずにあらゆることに取り組んでほしいですね。

中村氏: 今はなんでもインターネットで情報が得られるので、いろんな無料の制作ツールやセミナーもあるので、積極性があればいくらでも勉強できる時代ですよね。それを活用するだけでなく、「自分の好きなこと以外」のものを知ることも大事だと思います。例えば、街中を歩くだけで「あの橋の構造はどうなっているのだろう」と興味を持って調べるだけで、いざという時にアイデアになります。次世代の皆さんには、たくさんのことに興味を持ってほしいですね。

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